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3Dプリンター体験ワークショップの難しさ

ずっと活版印刷のワークショップや体験会を行ってきたので、以前からやりたかった3Dプリンターの体験ワークショップを企画しました。夏休み中なので親子で体験としたのですが、あまりこだわらない方が良かったかもしれません。

3Dプリンターのワークショップの一番の難しさは実は「時間」なのです。3Dプリンターは使ったことある人とメディアで見ただけの人の差がとても大きいです。ワークショップの進行状どの内容でも気にするのが制作物と時間です。楽しそうな物が作れるか、満足できるものが完成するのか、気になりますよね。触ったことの無い普通の方は3Dプリンターって何でもささっと作れる魔法の箱のような感じかもしれません。でも3Dプリンターって完成までにとても時間がかかる機械なのです。データを送ると紙に印刷されるようにパッと物ができあがる、そんな風にイメージする人もいるかと思います。実際は数時間から半日、一日動かしていることもあります。それでやっと形ができあがります。「なんで?」と思いますよね、それは3Dプリンターの造形プロセスが「積層」という形式であることが原因です。

様々な3Dプリンターが存在しますが、基本的な考えは形を積み上げて大きくしていくという物です。考え方としてはソフトクリームの機械みたいな物です。溶けたプラスチックを一層ずつ積み重ねていく、その一層の厚みは0.03mmや0.3mmなど本当に髪の毛一本より薄い層を積み重ねていきます。そのため高さが10cmもあるような立体物を作る場合は数百層から数千層を作る必要があります。

3Dプリンターのワークショップなどで作るサンプルがものすごく小さい物であったり、プレートのような厚みがあまり無い物だったりする理由はそこにあります。もし野球のボールくらいの物を体験ワークショップで作る場合、造形時間が3時間を軽く越えます。その時間はひたすら待っているだけです。

3Dプリンターの説明やモデリングソフトなどを使って体験するのは順調に進めることができますが、実際に3Dプリンターで出力になるとそこから数時間かかってしまいます。当然1日に数回の講座がありますので、当日に作る事ができません。このような理由からワークショップでは「薄い」「小さい」物がお持ち帰りいただく体験サンプルとして設定されているのです。

今回開催予定の3Dプリンターワークショップも制作するサンプルは「コースター」です。こちらは厚みが2mm程度ですので1時間ほどで完成いたします。動作する様子を見ている物楽しいので、なんとか待てる時間かと思います。

体験ワークショップで3Dプリンターの仕組みやソフトを理解していただき、その後どのように活用するのが面白いかを考えていただくことが学びに繋がると思います。3Dプリンターはまだまだ普及していませんが、使う人によって様々な可能性を広げてくれるツールです。低価格化も進んでいるので是非体験いただきたいと思います。

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